1.生理不順について
皆さんは、どこからが生理不順と呼ばれるのか知っていますか? まずは、生理不順の定義について紹介します。
生理周期で判断する
生理不順かどうかを判断するのにかかせないのが、生理周期です。 生理周期は、「前の生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数」で表します。 ポイントは、生理が終わった日ではなく始まった日から数えるという点です。
この生理周期が、25日~38日の間に入っていれば問題ないとされています。 つまり、生理は正常であると判断出来ます。 しかし、24日以下だったり39日以上の場合は、生理不順と呼ばれます。
また、生理時の出血量が少なすぎたりまたは多すぎたり、生理周期にばらつきがあるなどの症状も、生理不順と呼ばれます。
生理不順の原因
主な生理不順の原因は、ストレスなどの精神的疲労や不規則な生活習慣などの身体的疲労がもたらす、ホルモンバランスの乱れだとされています。
そのため、規則正しい生活と栄養バランスの良い食事、 さらにストレスを溜め込まないなどを意識してホルモンバランスを整えることが、生理不順改善のための基本的な方法です。
2. 生理不順の改善法 食べ物編
まずは、生理不順の改善に効果があるといわれている食べ物を紹介します。 以下で紹介するすべての食べ物を取り入れるのは難しいですが、何を食べようか迷ったときなどは参考にしてみてください。
ビタミンB6
ビタミンB6は、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの代謝にかかわり、ホルモンバランスを整えます。 ビタミンB6が含まれる代表的な食べ物は、まぐろ、納豆、バナナなどです。
ビタミンE
ビタミンEは、血液循環を改善し、血行を良くする働きがあります。 さらに、ホルモンバランスを整えます。
ビタミンEを含む代表的な食べ物は、ナッツ類、アボカド、かぼちゃ、ブロッコリー、玄米などです。
亜鉛
亜鉛には、ホルモンの分泌を調整したり、女性ホルモンを活性化させる働きがあります。
亜鉛を含む代表的な食べ物は、牡蠣、かに、納豆などです。
鉄分
鉄分不足は、生理不順の原因になることもあります。
そうならないためにも、ほうれん草、レバー、赤身の肉、豆類などの鉄分が多く含まれるものを積極的に食べるようにしましょう。
イソフラボン
イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。 そのため、女性ホルモンと同様に生理不順の改善に役立つとされています。 さらに美肌効果もあるといわれています。
イソフラボンが多く含まれている食べ物は、納豆、豆乳、きなこ、味噌、豆、大豆などです。
これらの5つの栄養を持つのは、納豆!
上記で紹介した5つの成分をすべて含んだ食べ物は、納豆です! 毎朝1パックの納豆を一緒に食べるようにしてみるなど、小さいことから日々の生活に取り入れていくといいかもしれません。
もちろん、ここで紹介したものはあくまでも一例です。 自分の体に足りないものを補えるような食べ物を意識して食べるようにして、栄養バランスの良い食事を取るようにしましょう。
3.生理不順の改善法 生活編
質の良い睡眠を意識する
ホルモンバランスの乱れを招く睡眠不足を避け、質の良い睡眠を心がけましょう。 朝早く起きて、夜早く寝るというシンプルなことを継続しましょう。
規則正しい生活は、幸福感につながるセロトニンという物質の分泌を活発にするため、精神面の安定にもつながります。
ストレスを解消する
生理不順の大敵であるストレスを軽減することも大切です。 アロマオイルをたいてリラックスしたり、趣味の時間を作ったりと、自分に合ったストレス解消法を見つけて実践してみましょう。
血行を良くする
生理不順の原因として、血行の悪さも考えられます。 体の血行を良くするために、運動不足を解消することも大切です。 しかし、激しすぎる運動だと逆効果なので、ヨガやウォーキングなどが適切です。
さらに、きちんと湯船に入って体を温めるのも、血行不良の解消におすすめです。 これは、卵巣機能を低下させ生理不順の原因となる体の冷えに対しても、効果が期待できます。 湯船にきちんとつかれば、血行不良の解消につながり、さらにリラックスできるのでストレス解消にもつながります。
しっかりとした食事を取る
きちんと3食、バランス良く食べるようにしましょう。
忙しいとついついおろそかになりがちな食事ですが、できる限り決まった時間に食べれると望ましいです。 上記で紹介した生理不順の改善にいいものを、特に積極的に食べるように意識してみましょう。
しかし、「体にいいものをすべて取り入れなくちゃ!」と意気込みすぎてしまうと、かえってストレスになってしまうこともあります。 日常生活の中で、できることから少しずつ取り入れていきましょう。
また、過度なダイエットは生理不順を招く恐れがあるので注意してください。
骨盤体操をする
骨盤体操をすることで、子宮の働きが高まり、生理不順の改善が期待できます。 骨盤は子宮を包み込んでいるため、骨盤が動きやすくなれば、子宮も柔らかくなります。
骨盤体操の流れ
- 1.手足が地面と90度になるようにして、よつんばいになります
- 2.鼻から息を吸いながら、お腹を上に10秒間持ち上げる
- 3.口から息を吐きながら、2とは逆にお腹を下に10秒間下げる
1~3を10回繰り返します。
朝・夜の1日2セットを目安に行ってみましょう。
ツボを押す
ツボ押しは、入浴中かお風呂上がりが効果的だといわれています。 息を吐きながら押し、吸いながら離すことがポイントです。 ここでは、3つのツボを紹介します。
関元(かんげん)
おへそから指4本分下に位置し、子宮の調子を整えます。 強く押しすぎて、刺激しすぎないようにしましょう。 お灸するのも良いでしょう。
三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから指4本分のところに位置し、冷え性やむくみ、生理関連の症状に効果があるツボです。 骨に向かって押すのが効果的で、夏でもこの部分を冷やさないように注意しましょう。
血海(けっかい)
膝の皿の内側の端から、指3本分上に位置し、血流にかかわる症状に効果があるといわれています。 血のめぐりが悪いなどの症状がある人は、このツボを押すとかなり痛みを感じるようです。
上記のツボ以外にも、生理不順の改善に役立つツボは多くあります。 自分の生理不順の症状に合わせて、ツボ押しをして症状改善につなげましょう。
4.生理不順の改善法 薬編
上記に紹介した方法を試してみても効果がない場合は、婦人科を受診し薬で生理不順を改善していく方法もあります。 ここでは、代表的な薬を2つ紹介します。
低用量ピル
1つ目は、生理不順の改善に使われる薬として一般的な低用量ピルです。
低用量ピルには女性ホルモンが含まれています。 これを飲むことで、生理周期を28日としてホルモンバランスを整え、生理不順を改善していきます。 他にも、避妊や生理痛の軽減の効果も期待できます。
しかし、人によっては吐き気や頭痛などの副作用が出る可能性があります。 これらの症状は、ピルを飲み始めたころにあらわれることが多く、飲み慣れてきたらなくなることが多いといわれています。
ピルにもいろいろな種類がありますが、費用は毎月(1シート)3000円程度で、基本的に保険適用外です。 またピルの処方には、婦人科を受診する必要があります。
きちんと婦人科の先生と相談して、自分にあったピルを正しく使用しましょう。
漢方
2つ目は、漢方です。
ピルを使用するのには抵抗があるという方には、漢方がおすすめです。 漢方にもいろいろな種類がありますが、ここでは特に3つの漢方を紹介します。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
血を増やす力がある当帰が含まれており、貧血気味の人におすすめです。
十全大補湯(ジュウゼンダイホユ)
気を巡らせる作用のある桂枝が含まれており、生理周期が早めになることが多く体温が低くなりがちな人におすすめです。
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
さまざまな生薬の組み合わせで自立神経に作用し、生理周期が一定しない人におすすめです。
他にも、生理不順の改善に役立つ漢方は多くあります。 専門の先生にきちんと相談して、自分の体に合った漢方を使用しましょう。
5.最後に
ここまで紹介してきたように、生理不順を改善する方法はいろいろあります。 生活習慣をきちんとして、栄養バランスの良い食事を取ることが、生理不順の改善に大きくつながります。 シンプルですが、きちんと続けることが大切です。
また、生活改善をしても効果が感じられない場合は、薬を使用して改善することも可能です。 毎回の生理不順をひとりで悩みすぎないで、婦人科の先生に相談してみましょう。 自分に合った改善方法を見つけて、生理に対する不安をなくしましょう。