1.尖圭コンジローマとは?

性器にイボができる性感染症

尖圭コンジローマとは、性器や肛門周辺にイボができる性感染症です。

同じ性感染症でも「クラミジア」や「ヘルペス」に比べて、知られていないかもしれませんが、 2015年の感染者数は5,806人です。これは、近年急増が問題になっている梅毒の感染者(2,697人)の倍以上の数字です。

最も多く見られる年代は、男性では30~34歳(630人)、女性では20~24歳(628人)と、女性の方がより若い年齢での感染が目立っています。

厚生労働省 「性感染症報告数」

2.感染する原因は?

主に性行為で感染する

尖圭コンジローマは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスが引き起こします。 このウイルスには、主に性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)で感染し、粘膜や皮膚の目に見えないような傷口からウイルスが侵入します。

尖圭コンジローマのHPVはローリスク型

ちなみに、HPVには100種類以上のタイプがあり、尖圭コンジローマの原因になるのはそのうちの「6型」と「11型」という2種類です。 それ以外のタイプの中には、子宮頸がんの原因になるものもあります。

がんの原因になるHPVは「ハイリスク型」、がんの原因にならないHPVは「ローリスク型」と呼ばれます。

3.尖圭コンジローマの症状

ローリスク型といっても、安心はできません。 尖圭コンジローマを発症すると、特徴的な症状(イボ)があらわれます。

女性の症状

大陰唇、小陰唇、膣、子宮頸部、会陰部などに、うすいピンク色や茶色のイボができます。

男性の症状

亀頭、カリ首、包皮などに、うすいピンク色や茶色のイボができます。

肛門にできることも

男女ともに、イボは肛門内や肛門周辺、直腸内にできることもあります。 特に肛門内は、男性の同性愛者の場合に比較的多く見られます。

口に感染することも

感染者の性器にオーラルセックスをすることで、口の中にウイルスが感染することもあります。

イボは大きくなり数も増える

尖圭コンジローマでできるイボの大きさは、直径1~4mm、高さ2~15mm程度です。 イボは次第に大きくなり、数も増えて、「カリフラワー」や「ニワトリのトサカ」のように見えることがあります。

イボができることによって、かゆみを感じたり、性交時に痛んだり、出血することもありますが、多くの場合、自覚症状はありません

イボは感染3週~8カ月後にあらわれる

尖圭コンジローマの症状があらわれるのは、感染してすぐではなく、3週~8カ月ほど過ぎてからです(平均2.8カ月)。 そのため、いつの性行為でウイルスに感染したのかを特定できないケースが多くあります。

ただし、いつどんなきかっけで感染したのかがはっきりしなくても、 尖圭コンジローマを疑う症状がある場合は、検査を受けるようにしてください。

4.検査はどこで受ける?

婦人科や皮膚科を受診

尖圭コンジローマは性行為でうつすことがあるため、気になる症状がある場合は、検査を受けることが大切です。 女性なら「婦人科」や「皮膚科」、男性なら「泌尿器科」や「皮膚科」を受診するのが一般的です。

見た目で診断できることが多い

尖圭コンジローマは特徴的なイボができるため、視診(見た目)で診断できることがほとんどです。

しかし、診断が難しい場合や、治療を行っても効果があらわれない場合には、イボの一部を切り取って検査(組織検査)を行うこともあります。

5.尖圭コンジローマの治療

尖圭コンジローマの治療には、「外科的切除」「凍結療法」「レーザー蒸散」「塗り薬による治療」などがあります。

外科的切除

外科的切除は、尖圭コンジローマで最も多く行われている治療法です。 電気メスやハサミなどを使ってイボを切除します。

局所麻酔を行うため、切除時に痛みはありません。 イボの数や大きさによっては、傷跡が残ることがあります。

凍結療法

凍結療法は、液体窒素を綿棒にしみこませて患部に押しつけ、イボを凍らせて除去する方法です。 麻酔の必要がなく、傷跡もほとんど残りません。

しかし、イボが大きいと凍らせるのが難しくなるため、小さなイボに対して効果的な治療方法です。

レーザー蒸散

レーザー蒸散は、イボが広範囲に広がった場合に有効です。 正常な部分への影響を、最小限に抑えられることが特徴です。

ただし、レーザー装置は高価なため、多くの病院で受けられる治療法ではありません。

塗り薬

イミキモドという塗り薬を使用します。 患部に1日1回(週に3回)寝る前に塗って、朝起きたときに石けんで洗い流します。 これを16週間続けます。

患部への負担が少なく、傷跡が残らないという特徴があります。

完全な治療法はない

このように尖圭コンジローマは、手術によってイボを切除したり、塗り薬によって治療をしたりしますが、 尖圭コンジローマで行う治療は、あくまでも「治療の時点であらわれているイボ」に対してです。

上でも書きましたが、尖圭コンジローマは感染して症状があらわれるまで、3週~8カ月ほどかかります。 そのため、治療の時点で症状はなくても、体のどこかにウイルスが潜伏している可能性は十分にあり得ます。 そして、潜伏しているウイルスに対して効果のある治療法は、今のところありません。

4人に1人が再発する

実際、尖圭コンジローマは適切な治療を受けても、約25%が3月以内に再発すると言われています。 つまり、4人に1人が再発していることになります。

手術で切除したからといって安心しないで、3~4カ月間は経過観察が必要です。

自然治癒はあるが…

ウイルスに感染しても、免疫力が高ければイボができずに、治療を受けなくても1~2年ほどで体内からウイルスが自然に消えることがあります。 また、イボができても自然に消えてしまうことがあります。 つまり、尖圭コンジローマは自然治癒することがあるのです。

ただし、これらは稀なケースです。 自然治癒を期待すると、イボがどんどん増殖して治療が困難になることがあります。 気になる症状がある場合は、放置せずに病院に行くようにしてください。

6.尖圭コンジローマの予防法

尖圭コンジローマは治療で完治させても、「再感染」することがあります。 下記では、再感染を防ぐポイントを紹介します。

パートナーも検査を受ける

尖圭コンジローマは性行為での感染が多いため、パートナーも感染しているケースが多くあります。 現時点で症状がなくても、数カ月後に発症するリスクがあります。

万が一パートナーが感染していたら、せっかく完治させても再感染してしまいます。 パートナーには、症状のあるなしにかかわらず検査を受けてもらいましょう。

コンドームを使う

性行為のときにコンドームを使うことは、基本的な予防法です。

ただし、尖圭コンジローマは性器だけでなくもっと広い範囲(お尻、肛門、太ももの内側など)に症状が出ることもあります。 その場合は、コンドームだけでは完全に予防することはできません。

パートナーの性器をチェックする

尖圭コンジローマの症状は特徴的なため、医師でなくても見た目で気づくことができます。 日ごろからパートナーの性器周辺の状態をチェックして、症状が出ている場合は、性行為を控えるようにしてください。

複数の人と関係を持たない

性行為の相手が増えるほど尖圭コンジローマをはじめ、性感染症にかかるリスクは高まります。 性行為は、信頼できるひとりとだけするようにしてください。

当然、相手が尖圭コンジローマに感染していなければ、うつされる心配はありません。

7.最後に

性器にイボがあらわれたら、尖圭コンジローマの疑いがあります。 かゆみや痛みなどの症状が出ることはあまりありませんが、放置しているとイボが大きくなったり増えたりして、治療が困難になります。 また、性行為によって相手にうつすリスクもあります。

「病院に行くのが恥ずかしい…」と思うかもしれませんが、尖圭コンジローマは決して珍しい病気ではありません。 事態を悪化させる前に、勇気を出して検査を受けるようにしてください。

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