1.セックス後の腹痛・下痢~腸の刺激~

女性の中にはセックスをした後に、腹痛が起こったり、下痢をしたりする方がいます。

彼との甘い時間の後に、腹痛や下痢などの症状があらわれると、不安になりますよね。 では、どうしてセックスすると、腹痛や下痢の症状がでてきてしまうのでしょうか。
考えられる原因にはまず、セックスによって腸が刺激されたという可能性があります。
腸は膣の近くにあるためセックスで刺激を受けてしまう

女性の膣や子宮の近くには、腸があります。 セックスでは膣にペニスを挿入して動かしますが、この動作によって腸も刺激を受けてしまい、それが原因となって腹痛が起きたり、下痢をしたりすることがあるのです。
生理現象のため心配はない
ただし、この症状はいわば生理現象のひとつです。 この場合の腹痛や下痢は病気ではないため、そこまで気にする必要はありません。
2.セックス後の腹痛・下痢~子宮内膜症~

セックス後の腹痛や下痢の原因には、子宮内膜症を発症している可能性も考えられます。
子宮以外に子宮内膜ができてしまう病気
子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織(子宮内膜と似ている子宮内側を覆っている組織)が、 卵巣や直腸、膣などの子宮以外の場所にできる病気のことです。

子宮内膜を排出できずに痛みを引き起こす

通常の子宮内膜は、子宮内の内側からはがれ落ちて、出血とともに子宮口から膣を通って体外へ排出されます(これが月経です)。 同様に子宮以外の場所にできてしまった子宮内膜も、月経のようにはがれ落ちて出血します。
しかし、通常の子宮内膜ならはがれ落ちると体外に排出されますが、 子宮以外の場所にできた子宮内膜は、体外に排出することができずに、血液が体内に溜まってしまいます。
その結果、体にさまざまな悪影響を及ぼし、腹痛や下痢、腰痛、月経痛などの症状を引き起こすのです。 子宮内膜症の人の中には、セックスで下腹部を刺激されたことによって腹痛が生じたり、性交痛を感じる方もいます。
不妊症の原因にもなる
また、子宮内膜症は、性交痛だけでなく不妊症の原因になることがあります。 腹痛や下痢などの疑わしい症状がある場合は、なるべく早く婦人科を受診するようにしてください。
3.セックス後の腹痛・下痢~性病~

セックスをした後に腹痛や下痢が起こる原因には、性病に感染している可能性も考えられます。
クラミジアや淋病の疑いがある
セックス後の腹痛や下痢を引き起こす原因となる性病には、クラミジアや淋病などがあげられます。

例えば、クラミジアに感染すると、「子宮頸管炎」や「卵管炎」、「骨盤腹膜炎」などを起こしたり、 腹腔内(お腹の中)にまで病原体が侵入して、炎症を起こすことがあります。 するとその影響で、セックス時やその後に腹痛や下痢を生じることがあるのです。
同様に、淋病に感染しても子宮頸管炎などを引き起こすことがあり、 セックスによって刺激を受けると、腹痛や下痢を生じることがあります。
4.最後に
以上のように、セックスの直後や翌日などに腹痛や下痢を生じる原因には、いくつかの可能性が考えられます。 あまり心配のいらないケースもありますが、何らかの病気のサインの場合もあります。
気になる症状がある場合は、婦人科を受診するか、自宅で性病検査キットを使ってみることをおすすめします。