脳炎とは脳に起こる炎症性の病気

単純ヘルペス脳炎について説明する前に、脳炎について簡単に説明します。

脳炎とは、名前の通り、「脳の炎症」のことで、脳に起こる炎症性の病気をまとめて脳炎と呼びます。

脳炎は、ウイルス、細菌、カビやアメーバなどが脳内に感染して炎症を起こすことで発症します。 脳炎にはさまざまな病気がありますが、代表的な脳炎は、「単純ヘルペス脳炎」、コダカアカイエカという蚊に刺されることで感染する「日本脳炎」、 インフルエンザにかかった幼児に多いと言われる「インフルエンザ脳炎」などです。

今回はその中でも、単純ヘルペス脳炎について解説します。

単純ヘルペス脳炎の概要

単純ヘルペス脳炎は、ヘルペス脳炎とも呼ばれ、重い急性脳炎として知られています。 脳内の側頭葉や大脳辺縁系と呼ばれる部位に、壊死(えし: 細胞や組織が死んでしまうこと)や出血が起きてしまう怖い病気です。

単純ヘルペス脳炎の原因

単純ヘルペス脳炎は、口唇ヘルペスを引き起こす単純ヘルペス1型ウイルスと、 性器ヘルペスを引き起こす単純ヘルペス2型ウイルスによって発症することが分かっています。

単純ヘルペス1型ウイルスには、患部(唇)への直接接触、つまり恋人同士や親子でキスをしたり、患部を触った手でそのまま相手に触れたりすることで感染します。 感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染もあります。単純ヘルペス2型ウイルスには、主に性行為で感染します。

これらのヘルペスウイルスは、一度感染すると治療を受けても体内に潜伏し続けますが、健康なときは免疫力が働いているため発症することはありません。 風邪や疲れなどで免疫力が下がったときにウイルスが活性化して発症しやすくなります。

そして、これらのウイルスが神経や血流などを通じて脳まで届き、大脳辺縁系などに影響を与えてしまいうのです。 ただし、単純ヘルペスウイルスが、なぜ単純ヘルペス脳炎を引き起こしてしまうのかは、まだはっきりとはわかっていません。

単純ヘルペス脳炎は、新生児期では単純ヘルペス2型ウイルスで発症するケースが多いですが、 新生児期以降では単純ヘルペス1型ウイルスによる発症がほとんどです。

単純ヘルペス脳炎の症状

脳は、ほかの臓器と違い一度損傷を受けると修復が難しい部位でもあります。 そのため、単純ヘルペスウイルスによって脳が影響を受けると、性器や唇にできるヘルペスの症状よりも、重い症状があらわれることがあります。

単純ヘルペス脳炎の主な症状

  • 錯乱(さくらん)
  • 意識障害
  • 幻視
  • 異常行動
  • 発熱
  • 髄膜刺激症状(頭痛など)
  • 意識障害
  • けいれん

また、言語障害があらわれることもあります。強い意識障害やけいれんをよく引き起こし、 脳圧亢進(のうあつこうしん: 頭蓋骨と脳の間にある脳脊髄液(のうせきずいえき)の流れが悪くなり、頭蓋骨のなかで溜まってしまい脳を圧迫する)がある場合、 死亡率は20~30%といわれています。

また、軽い意識障害や精神症状が主な症状の場合もあります。このケースでの死亡率は低いですが、 健忘症候群(けんぼうしょうこうぐん: 記憶障害)、人格変化、てんかんなどの後遺症が残ることが問題になっています。

単純ヘルペス脳炎の治療

単純ヘルペス脳炎と診断された場合には、すぐに治療を始める必要があります。 ヘルペスウイルスに効果のある抗ウイルス薬を投与して治療していきます。

治療薬が進歩したおかげで死亡率は減少していますが、先ほどあげたような後遺症をもたらすケースも少なくありません。治療後も定期的な経過観察は必要です。

後遺症のリハビリ

単純ヘルペス脳炎の影響で、健忘症候群、人格変化、てんかんなどの後遺症が残った場合には、リハビリを受ける必要があります。 リハビリはすぐに効果が出ないこともありますが、症状が徐々に改善されるケースも多いため、根気強く前向きに続けることが大切です。

まとめ

このように単純ヘルペス脳炎は、最悪の場合、死亡することもある怖い病気です。進行が早い病気で、治療開始が遅くなるほど脳へのダメージも大きくなります。 単純ヘルペスウイルスはごくありふれたウイルスのため、感染を完全に予防するのは難しいです。 そのため、気になる症状がある場合は、すぐに病院で診てもらうようにしてください。

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