1.皮膚症状の違い

帯状疱疹とヘルペスの違いで分かりやすいのは、皮膚にあらわれる症状です。

帯状疱疹

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帯状疱疹では、体の左右どちらかに多数の水ぶくれがあらわれます。 特に発症しやすいのは、胸、お腹、背中部分、そして顔(目の周りなど)です。

ヘルペス

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ヘルペスでは、患部(唇、口の周り、性器、お尻、太ももなど)に水ぶくれが数個~複数個あらわれます。

つまり、水ぶくれが体の左右どちらかに多数あらわれたら帯状疱疹、唇や性器などの限られた場所に数個あらわれたらヘルペスの疑いが強いと言えます。

ただし、例外もあって、ヘルペスでも全身に発疹が広がることもあり、見た目だけで区別するのは難しい場合もあります。

2.痛みの違い

帯状疱疹とヘルペスでは、ピリピリ感や痛みなどを感じることがあり、それぞれ下記のような特徴があります。

帯状疱疹

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帯状疱疹の患者さんからは「とにかく痛い」という声が多く、刺すような痛みが数日~1週間程度続きます。

また、水ぶくれが広範囲にあったり、高齢の方の場合には、皮膚症状が治まったあとも痛みが続くことがあります。 3カ月以上続く痛みを「帯状疱疹後神経痛」といい、帯状疱疹患者さんの3~15%が発症すると言われています。

ヘルペス

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ヘルペスでは、症状の強さは初感染と再発で大きく異なります。

初感染時には症状が最も強くあらわれ、リンパ節の腫れや発熱、だるさなどをともなうことがあります。 女性では、強い痛みで排尿が困難になることもあります。

再発時の症状は穏やかになります。

3.相手にうつすリスク

帯状疱疹とヘルペスでは、相手にうつすリスクにも違いがあります。

帯状疱疹

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帯状疱疹は感染力が弱いため、相手が水ぶくれに触った場合でもうつすことはありません。 ただし、水ぼうそうにかかったことがない人が、水ぶくれに触れると感染することがあります。

ヘルペス

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ヘルペスは感染力が非常に強いため、患部に触れると簡単にうつしてしまいます。 口唇ヘルペスではキス、性器ヘルペスでは性行為での感染が多くあります。

また、患部に直接触れるだけでなく、コップ、食器、タオルの共有や便座などを介して感染することもあります。

4.再発リスク

治療を終えた後に、症状が再発するかどうかでも違いがあります。

帯状疱疹

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帯状疱疹は、基本的に再発することはありません。

帯状疱疹では症状が強く出るため、体を守ろうと免疫機能が強く働きます。 そのため、再発するケースがほとんどないのです。

ただし近年、高齢者で帯状疱疹を再発する人が増えていて問題になっています。

ヘルペス

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ヘルペスは、再発を何度も繰り返すことがあります。 ヘルペスの再発は症状が軽いため、免疫機能が十分に働かずにウイルスの再活性化を許してしまうのです。

5.妊婦さんのリスク

妊婦さんのリスク、つまりお腹の赤ちゃんへの影響もぜひ知っておいてください。

帯状疱疹

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帯状疱疹は、妊婦さんが発症しても、お腹の赤ちゃんに感染することはありません。

ただし、ごく稀にですが反発性帯状疱疹といって、水ぼうそうのような発疹が全身にあらわれることがあります。 この場合は、ウイルスが神経だけでなく血液中にも広がっているため、お腹の赤ちゃんに感染する恐れがあります。

ヘルペス

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ヘルペスは要注意です。 性器ヘルペスを妊娠中に発症すると、産道感染などで赤ちゃんにウイルスが感染して、髄膜炎や脳炎などの危険な症状があらわれることがあります。

そのため、妊娠中に性器ヘルペスを発症したら抗ウイルス薬による治療を行い、出産時にも症状がある場合には帝王切開を行います。

妊娠中のヘルペスの影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

6.原因となるウイルス

最後は少し専門的になりますが、原因となるウイルスの違いについて解説します。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスが引き起こします。 「水痘」とは水ぼうそうのことで、このウイルスに初感染すると「水ぼうそう」を発症します。

水ぼうそうは日本人の95%が15歳までにかかる病気で、治った後もウイルスは体内に潜伏し続けます。 そして、ウイルスが再活性化すると今度は「帯状疱疹」を発症するのです。

つまり、水痘・帯状疱疹ウイルスは、 初感染時には「水ぼうそう」、再発時には「帯状疱疹」という異なる病気を引き起こすのです。

ヘルペス

ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスというウイルスが引き起こします。

単純ヘルペスウイルスは、初感染時でも再発時でも「ヘルペス」を発症します。 そして、発症する場所によって、「口唇ヘルペス」「角膜ヘルペス」「顔面ヘルペス」「性器ヘルペス」などと呼ばれます。

水痘・帯状疱疹ウイルスと単純ヘルペスウイルスは、どちらも同じヘルペスウイルスの仲間ですが、種類が異なります。

7.最後に

帯状疱疹とヘルペスの違いについて、理解できるようになりましたか。 下記に、簡単に要点をまとめます。

  • 帯状疱疹は、体の左右どちらかに症状があらわれ、痛みが3カ月以上も続くことがある。
  • ヘルペスは、唇や性器などに症状があらわれ、初感染時の症状が最も強い。
  • 帯状疱疹をうつすことはあまりないが、ヘルペスは簡単にうつる。
  • 帯状疱疹は基本的に再発しないが、ヘルペスは再発する。
  • 妊婦さんの場合、どちらもお腹の赤ちゃんに影響を与えることがある。

両者は症状が似ているケースもあるため、見た目だけで見分けるのが難しい場合もあります。 共通して言えるのは、「早期から治療を始めると、症状の悪化を防ぐことができる」ということです。

症状を悪化させるだけでなく、相手にうつす恐れもあるため、皮膚に気になる症状があらわれた場合は、すぐに皮膚科を受診するようにしてください。

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