1.妊娠中の性器ヘルペス

お腹の赤ちゃんにうつすことがある

妊娠中に性器ヘルペスを発症すると、赤ちゃんにヘルペスのウイルスをうつしてしまうことがあります。 ウイルスが感染する経路としては、下記の3つがあります。

胎内感染

赤ちゃんがお腹の中でウイルスに感染すること。感染原因の約5%を占めます。

産道感染

赤ちゃんが産道を通るときにウイルスに感染すること。感染原因の約80%を占めます。

水平感染

出産後の赤ちゃんが、頬ずり、キス、食べ物の口移しなどでウイルスに感染すること。感染原因の約10%を占めます。

初感染時にリスクが高まる

また、ヘルペスには、「再発時」よりも「初感染時」に症状が強くあらわれる特徴があります。 そのため、初感染時の方が、赤ちゃんへの感染リスクは高まります。

2.赤ちゃんへの影響

深刻な影響を与えてしまう

胎内感染や産道感染で赤ちゃんにウイルスが感染すると、髄膜炎や重大な脳炎を発症する恐れがあります。 症状は産後2週間以内に急激に進行して、治療を受けなれば、約90%の赤ちゃんが死に至ると言われています。

赤ちゃんに対して、抗ウイルス薬による治療を早期から行えば助かる確率は高くなりますが、 それでも後遺症が残るケースが多くあります。

3.赤ちゃんに感染させないために

赤ちゃんに深刻な影響を与えるのを避けるために、妊娠中に性器ヘルペスを発症したら下記のような対策を取ります。

抗ウイルス薬で治療

お腹の赤ちゃんに影響のない抗ウイルス薬を使って治療を行います。

帝王切開で出産

出産時に性器ヘルペスの症状がある場合には、帝王切開を行い赤ちゃんにウイルスをうつさないように出産します。

4.出産後の感染対策

出産後も感染に注意する

無事に出産した後も、赤ちゃんにウイルスを感染させないことが大切です。

出産後は性器ヘルペスよりも、唇や口の周りに水ぶくれがあらわれる口唇ヘルペスを 赤ちゃんにうつしてしまうリスクが高まります。

特に、生後1カ月までの赤ちゃんは病気に対する抵抗力がないため、症状が重く出やすく非常に危険です。 そのため病院によっては、母親が口唇ヘルペスを発症していたら、赤ちゃんを別室にうつしたり、授乳を禁止するところもあります。

ヘルペス性歯肉口内炎を発症することも

また、1カ月を過ぎてからも注意が必要です。 頬ずりや口移しなどで乳児がウイルスに感染すると、「ヘルペス性歯肉口内炎」を発症することがあります。

ヘルペス性歯肉口内炎

子どもに多く発症する病気で、舌や歯肉、喉などが赤く腫れて、発熱や痛みなどをともないます。炎症がひどいと、食欲が落ちることもあります。 急に39℃近くの高熱が出て、せきや鼻水などの風邪の症状がない場合には、この病気を疑って小児科を受診するようにしてください。

4.ウイルスを持っているだけなら大丈夫

ご存じの人もいるかもしれませんが、性器ヘルペスや口唇ヘルペスの原因となるウイルスは、 一度感染すると治療を終えた後も神経節(神経が集まっている場所)に潜伏し続けます。

そして、疲れやストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスは増殖して再びヘルペスの症状をあらわすようになります。

性器ヘルペスを経験した女性の中には、「自分はヘルペスのウイルスを持っているけど、お腹の赤ちゃんに影響はないかな…」と考える人もいます。 しかし、ウイルスを持っているだけなら、赤ちゃんへの影響はありません。

「ウイルスが神経節に潜伏している」というのは、「ウイルスが冬眠している」ような状態を言います。 冬眠しているクマが悪さをしないように、ウイルスがお腹の赤ちゃんに影響することはないのです。

ウイルスを保有している人は、再発させないように注意してください。

5.最後に

妊娠中に性器ヘルペスを発症すると、お腹の赤ちゃんに深刻な影響を与えてしまうことがあります。 妊娠中は、「ウイルスに感染しない」「症状を再発させない」ように気をつけることが大切です。

万が一発症した場合には、早期から治療を受けると回復が早くなるため、すぐに医師に相談するようにしてください。

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