1.そもそも淋病とは?

淋病は、クラミジアや梅毒などと同じように性感染症のひとつです。 「淋菌」という病原菌が引き起こし、正式には「淋菌感染症」といいます。

主に性行為で感染する

淋菌には、感染者との粘膜同士の接触や、精液や膣分泌液から感染するため、主な感染原因は「性行為」です。 淋病感染者との1回の性行為(コンドームなし)での感染確率は、約30%と言われています。 また、オーラルセックスでも感染します。

淋病|性病について|山の手クリニック

続いては、淋病の症状を見ていきましょう。 「女性」「男性」「喉」の順に紹介します。

女性では無症状が多い

女性の場合、淋菌は「子宮頸管」という膣の奥にある子宮の入り口部分に感染し、次のような症状があらわれます。

  • おりものが増える
  • 不正出血がある
  • 下腹部が痛む
  • 性交痛がある

ただし、女性の多くは自覚症状がまったくあらわれないと言われています。

そのため感染を放置して、淋菌が子宮頸管よりもさらに奥に侵入してしまい、 卵管や卵巣に炎症を起こしたり、骨盤腹膜(骨盤内の子宮や卵管を覆っている膜)に炎症を起こすようになります。

ここまで進行すると激しい痛みを感じることがあり、また、不妊症や子宮外妊娠の原因になることもあります。

続いては、男性の症状です。

男性の症状は分かりやすい

男性の場合、淋菌は尿道に感染します。 感染して2~7日間の潜伏期間(感染しても症状が出ない期間)を過ぎると、「尿道炎」を発症して、排尿痛や尿道から膿がでるようになります。

膿の量は多く、色も白~黄色と見た目でも分かりやすいため、この時点で異常に気づくケースが多くあります。

ただし、治療を受けずに放置していると、淋菌は尿道からさらに奥へと進入して、精巣(睾丸)の横にある精巣上体という器官に炎症(精巣上体炎)を起こします。 精巣上体炎の症状は強く、患部が腫れたり、激しい痛みを感じるようになります。無精子症の原因になることもあります。

喉の感染は無症状が多い

オーラルセックスで喉に感染すると、喉の腫れや痛み、発熱などが出ることがあります。 しかし、ほとんどの場合、自覚症状は何もありません。

ここまでで、淋病の原因や症状について簡単に説明しました。 さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

続いては、「妊娠中の淋病の影響」について、見ていきましょう。

2.妊娠中の淋病の影響

淋病感染の疑いがある妊婦さんが、最も気になるのはお腹の赤ちゃんへの影響だと思います。

母子感染の恐れがある

妊婦さんが淋病にかかったまま出産をすると、1/3の確率で赤ちゃんに産道感染すると言われています。 淋菌に感染した赤ちゃんは、結膜炎(淋菌性結膜炎)、敗血症、関節炎、髄膜炎、鼻炎、膣炎、尿道炎などの感染症を発症する恐れがあります。

特にこの中でも注意が必要なのは、最も発症リスクの高い「淋菌性結膜炎」です。

淋菌性結膜炎

淋菌性結膜炎は、出産後2~4日で発病します。 赤ちゃんの目から多量の膿がでたり、結膜が真っ赤に充血したり、まぶたの腫れなども見られます。 症状が進行すると、角膜潰瘍(角膜がにごる)や角膜穿孔(角膜に穴が開く)といった危険な目の病気を引き起こし、失明に至ることもあります。

「妊娠中に淋病にかかったせいで赤ちゃんが失明した…」このような事態を招かないためにも、 淋病感染の不安があるなら検査を受けて、感染していた場合には、医師の指示のもと治療を受けることが大切です。

3.妊娠中の検査・治療

続いて、妊娠中の淋病検査・治療について説明します。

淋病検査は妊婦健診に含まれていない

淋病は母子感染の恐れがあるのに、一般的な妊婦健診では検査項目に含まれていないことがほとんどです。 そのため、淋病の疑いがあったり、少しでも不安に思うことがあれば、医師に相談して検査を受けるようにしてください。

治療では抗菌薬を使用

検査を受けて、淋病であることが発覚したらすぐに治療を行います。 妊娠中の淋病治療も、通常の治療と同じように淋菌に効果のある抗菌薬を使います。

治療法はシンプルで、注射で抗菌薬を1回投与し、その3日以上後に再検査を受けて、体内から淋菌がいなくなっていれば治療終了です。

「赤ちゃんにお薬の影響はないのかな…」と不安になる人もいると思いますが、妊娠中の治療ではこの点も配慮しているため、安心して治療を受けてください。

目薬で淋菌性結膜炎を予防

また、出産までに淋病を完治できない場合は、出産直後の赤ちゃんに抗菌薬の目薬を使い、淋菌性結膜炎を前もって予防します。 これによって、淋菌性結膜炎の発症リスクを大幅に減らすことが可能です。

妊娠中に淋病にかかってしまったことは、非常にショックで不安も大きいと思います。 ただし、適切な治療を受ければ、赤ちゃんへの感染リスクを大きく下げることができます。 産まれてくる赤ちゃんのためにも、きちんと治療を受けるようにしてください。

4.再感染を予防する

淋病は治療で治せる病気ですが、治した後も再感染するリスクがあります。

当然、再感染したら赤ちゃんに影響を与えることもあります。 そのため治療を終えた後も、再感染しないように下記のことに注意してください。

パートナーも検査・治療を受ける

淋病は、感染率の高い性病です。 あなたが淋病に感染していたら、パートナーも淋病に感染している可能性があります。

症状のあるなしに関係なく、相手にも必ず検査を受けてもらい、感染していたらお互いきちんと治療を受けて完治させるようにしてください。

性行為の際にはコンドームをつける

淋病予防の基本は、性行為のときにコンドームを使うことです。 淋菌は主に、感染者の精液や膣分泌液にいるため、感染予防にはコンドームが非常に有効です。

妊娠中の場合でも、性行為の際はコンドームを使うようにしてください。

5.最後に

妊娠中に淋病に感染して、そのまま出産を迎えると、赤ちゃんに淋菌性結膜炎などの症状があらわれることがあります。 少しでも感染に不安がある場合は検査を受け、感染が発覚した場合は、治療を受けてしっかり完治させるようにしてください。

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